日記のページ 2016

            

12月の日記


初体験


 12/3は日野駅近くのライブハウスSoulKで
スクールの忘年会ライブをやりました。
この時期、恒例のイベントになっていますが、
今年もクラシックギターソロから
ロック、ジャズ、ブルースなどのバンドまで、
とにかくごった煮みたいな楽しいライブでした。
その1週間後は、地元・八王子の活性委員会の
依頼で、クリスマスのイベントに出演。
駅前のステージで久しぶりの野外ライブとなった。
ぼくも、ある時期、けっこうストリートライブは
やってきましたが、12月中旬は初めてかも。
生徒さん2人に協力してもらって、
ギターソロやデュオを披露。
まあ、聞いただけでも寒い時期なんですが、
それだけでなく、この日は強風が吹き荒れていた。
夕刻、ステージ前には灯をともされた
キャンドルが数十個並べられ、
駅前広場のイルミネーションと相まって、
それは美しい光景だったのですが
風のせいで、譜面は飛んで行きそうだし、
マイクが風音を拾ってしまったり、
何より、体感温度が尋常ではない。
寒さしのぎに、いくら着こんでも、ギターを
弾く両の手は、手袋をするわけにはいかず、
もちろんむき出し状態。
寒いのは想定内ですから、速弾きを要するような
選曲は避けていましたがそれでも、ブルブル・・・。
手はかじかんで、うまく回らなくなる。
これも、自分に科せられた一つの逆境。
こんな寒い中、ギターを弾くのも初体験だから、
話のネタにでもなるや、と頭を切り替えたら、
30分ほどの短いステージでしたが、
演奏が楽しくなってきたから不思議。
お客様のあたたかい拍手にすくわれた。

 今月は初体験をもうひとつ、やってみた。
それは、漫画喫茶
(インターネットカフェともいうらしい)
というところに行ってみたこと。
子どもの頃は、漫画家になりたいと心に
決めていたぐらい大好きなものだったが、
大人になってからは、
とんと読まなくなってしまった漫画。
海外を旅していて、日本の話題になると必ず
出てくるのが宮崎駿のアニメ作品や、
ドラゴンボール、ワンピース、ナルトなど。
先日も旅先のスペインであるスペイン人が
上半身裸になって自慢げに
”これを見ろ!”といった。
彼の背中に描かれていたのは、
なんとドラゴンボールの主人公・
孫悟空の入れ墨だった。
ヨーロッパ人の入れ墨を入れている確率は、
かなり高いとは、思っていたが
日本の漫画のキャラクターがそこにあるとは驚きで、
そのかわいらしさに、思わず笑ってしまった。
これはほんの1つのエピソードだが、
本当に海外での日本の漫画・アニメ人気は根強い。
しかし、白状すると、ぼくはドラゴンボール、
ワンピース、ナルトなどはこれまで、
1話も読んだことがない。
これは、旅先での会話のネタを増やす意味でも、
好むと好まざるに関わらず、ちょっとは
かじって(読んで)おかなくてはと、
けっこう以前から思っていたのだが・・・。
とりあえず、ざっと目を通すのに手っ取り早いのは、
これまで足を踏み入れたことのない
漫画喫茶というのがいいだろうと、
思いつき行ってみたわけだ。
近所の漫画喫茶に初めて入店。
3時間ほど過ごしてみた。
そこは個室になっていて、飲み物も飲み放題、
インターネットもできる、快適な空間。
あらてめて、気づいたことは、
意外と漫画の単行本1冊を読むには
時間がかかること。
ドラゴンボールとワンピースにトライしたのだが、
それぞれの第1巻を
読み終わるのに1時間近くかかってしまった。
ドラゴンボール全42巻、ワンピース全83巻の
概観をつかむには程遠い。
しかも、ふと目についた棚に気になっていた
漫画が揃っている。
”闇金ウシジマ”くんだ。
読むスピードは遅いが、あっという間の3時間。
後半はウシジマくんにはまってしまい
2巻ほど読んでしまった。
この作品は、お金の恐ろしさを思い知らされるかなり
エグい漫画だが、面白い。
また、時間があれば漫画喫茶へ
行ってみたいと思うが、
本来の目的から脇道にそれてしまいそう。
ドラゴンボール、ワンピース読了までの
道のりは長そうだ・・・。


11月の日記


八王子からスペインへ


 歩いてきました、スペイン。
フランスのサン・ジャン・ピエド・ポルから
スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの
およそ800キロの巡礼の道。
巡礼の道には世界中の旅人が集まってきていて、
それに関する書籍も近年多く出版されている。
それら体験記を読んでみると、
1回の旅で巡礼の道を完遂するには
だいたい30日から40日間くらいかかるのが
平均的なようだ。
大雑把だが、1日20キロ歩くとして、
40日で800キロを歩き切るような計算だろうか。
ぼくは1度の旅にこれほどの日数を
確保することはできないので、
数回にわけての分割巡礼にすることにした。
その第1回目の今年は10月後半から11月前半に
かけての2週間。


 スペイン出発前に予行演習として八王子の
自宅から相模湖までの25キロを歩いてみた。
少し小雨の降る日だったから、
新品のアディダスのトレッキングシューズの調子を
点検するのにもむしろ好都合。
80リットルの大きいバックパックにも適当に
本など入れて、ある程度の重量にして
本番を想定した。
このコースはひたすら国道20号を西に
向かって進むわかりやすいものですが、
高尾山まで平地が続いた後、
相模湖までは大垂水峠を越えなくてはならない。
適度な負荷があり、
いくつかの気づきも得られたので、
リハーサルとしてはよい選択だった。
まず、自分の歩く速度。
25キロを歩くのにかかったのは5時間だったので、
ぼくは平均的に時速5キロで歩いていることになる。
重い荷物を担いで、大きなアップダウンの
あるコースを歩く速度なので、
まあ悪くはないだろう。
アディダスのゴアテックス仕様のシューズは
多少の雨でもまったく内部に水が浸入してこない。
軽くて、歩き心地も快適なので、
これは今回の旅に心強いと確信できた。
なにしろ、”歩く”ことが主軸の旅なのだから・・・。
普段、山登りはしないから、
もうひとつ重要なことに気づいた。
それは、下り坂では意外につま先に負担がかかり、
長時間歩いていると靴擦れして
水ぶくれができる可能性が高いこと。
実際、この相模湖リハーサルでは右足の
小指の外側に、ちょっとした水ぶくれができてしまった。
薄手の安物靴下だったせいもあったのだろう。
いい靴を買って、浮かれていたので靴下までは
気がまわらなかった・・・。
早速、インターネットでマラソンや徒歩の時の
足のトラブル対策について調べてみた。
各指の擦れによる水ぶくれ防止には
厚手の5本指靴下がよい。
そして、靴擦れ防止用のクリームの存在もこの時、
知った。
このクリームは近所のスポーツ用品店にも
売っていたのだが、靴下をはく前にチューブから
適量クリームを手にとり、靴擦れがおこりそうな
ところに塗っていきます。
すると、5分くらいで乾燥して、
そのまま靴下をははくだけで、
かなり強力なプロテクターとなる。
この2つのアイテムのおかげで、
スペインを9日間毎日20~30キロ歩きましたが、
足のトラブルはほとんどなかった。
旅では友だちもたくさんできたので、
参考までに彼らの足もいろいろ観察させてもらったが
靴擦れをしていない人はほとんどいなかっただろう。
というか、靴擦れを通り越して、
変色して腫れている深刻な足も
いくつか見受けられた。
荷物が重いとか、雨が降るとか、
言葉が通じないとか、
日々ストレスをかかえた旅でもありますが、
とにかく、歩くことが、
目的であり手段に他ならない。
いかに足の痛みやトラブルから回避するかが、
毎日の最重要課題であることは間違いない。

 小さなトラブルもいくつかあったし、
目標歩行距離であった250キロにもおよばず180キロ。
しかし、結果から言うと今までの旅の中で
1番苦しく、また1番心に残る印象的な
旅となった。
いつも海外に行くと多くの人に助けられますが、
今回ほど助けられ、
また逆に僕自身も誰かを助けたりする場面は
なかった。
これはやっぱり、巡礼の旅という、
一般的な旅とは明らかに一線を画す、
特別な時間の中にに身を
おいていたからだろう・・・。
四方色とりどりの紅葉に
あふれる森の中を歩きながら、
様々な国の魅力的な旅人との出会いは
忘れることができない。

この模様は旅のページにて更新中。

10月の日記


食うか?演奏か?


 今月もヴァイオリンの大坪先生と
楽しいサロンコンサートができました。
ありがとうございました。
ぼくにとって至福の1つは、
美味しいものをたくさん、ちょこちょこ食べること。
(大量に食べるわけではないが、
品数が多ければ多いほど幸福度は増す)
スペインのバルで立ったまま
タパス(小皿料理)数品をつつきながら、
ワインをチビチビやるのが理想。
サロンコンサートでもみんなで、
つまめるものを2日くらい前から仕込み始めます。
最近、もっぱら重宝しているのがベランダで
調理するダッチオーブン。
これは、鉄製の分厚くて、深いバカでか鍋で、
蓋もとても重厚なつくりになっています。
重くて場所もとる取り扱いの厄介なものでもあり、
また、たまに使うだけの鍋。
しかし、1度、ダッチオーブンでつくった
料理を口にしてしまうと、
普段、収納場所に困るようなこの調理器具は
もう手放せなくなる。
食材を入れたダッチオーブンを炭の上に置き、
さらに蓋の上にも炭を乗せて
1時間ほど放っておけば、
どんなものでも絶品のごちそうとなるから。
それは屋内キッチンの、ガスコンロなどでは
絶対にマネのできない豪快な調理方法なのだ。
豪快な調理方法は決して大味になるのではなく、
まったく逆に繊細で深みのある味になるという証左。
今回は鯛の塩釜焼に初挑戦してみた。
近所の魚屋に事前に話をつけておき、
はらわたと鱗だけとってもらった
1.5キロほどの鯛を調達。
そして、これまた1.5キロの塩を卵3個分の
卵白でコネコネし、それをまずダッチオーブンの
底に鯛のベットとして敷く。
そこに香りつけに昆布を置き、鯛を寝かせる。
鍋は大型だがさすがに鯛も大きいので、
後方にに包丁で切り込みをいれて
やや尻尾を折りたたむ姿勢で
入れてあげると頭も切り離すことなく丸ごと、
鍋におさまる。
この安らかにお眠りになった鯛を残りの塩卵白で、
しっかり覆ってあげます。
後は、鍋の上下から炭火で1時間ほど焼くだけ。
鍋の中で焼かれた塩はカチカチに硬くなっていて、
これをトンカチで割る儀式が楽しい。
身はふっくらとして、塩のドームは見事に
鯛のうまみを閉じ込めてくれた。
初めての料理だったが、1口食べて食器洗いや
パエリアを作っていて気づいてみれば、
みんなにアッという間に、
目玉も食べつくされてしまった頭と骨だけの
元・鯛の姿がそこに横たわっていたので、
大成功ということにしておきましょう。
しかし時々、料理をつくるために
コンサートをやっているのか
演奏を楽しんでもらうためにコンサートを
やっているのか、どちらかわからなくなる。
どちらも好きに間違いはないのですが・・・。

     
 トンカチでガツンと    鯛とのご対面

 いよいよ、今月の末からスペインを歩いて
旅することになる。
フランスのサン・ジャン・ピエド・ポルから
スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラを
目指す900キロの巡礼の道。
(サン・ジャン・ピエド・ポルはいくつかある
巡礼の道の中で最も有名な出発地点)
サン・ジャン・ピエド・ポルは
日本から飛行機に乗り、
モスクワ経由でスペインのマドリード降り立ち、
その後、北へバスなどを乗り継いで
450キロの先にある。
1度で、すべてを歩く時間的余裕はないので
3分割くらいでの達成を目標に、トライしてみたい。
年に1回スペインにいって、300キロ歩ければ
3年で制覇できることになりますが
机上の計算通りにいかせてくれるほど甘くはない。
大きなバックパックを背負い来る日も来る日も
ひたすら歩くのだから、
足もそうとう、やられてしまうだろう。
トラブルやハプニングの全くない旅もまた、
つまらないものですが。
目的地を共にして世界中からやってくる巡礼者、
彼の地に根付いた郷土料理、
実は世界第1位のブドウ作付け面積を
誇るスペインのワイン、
無限の表情をみせるメセタ(高地台地)・・・。
飛行機でもない、車でもない、自転車でもない、
ゆっくりと歩く速度でしか
享受することのできない様々な
出会いがあるに違いない。

10/27~11/9の期間は、このため休講となります。


9月の日記

協調性難あり・・・?


 スクールの大きなイベント、秋の演奏会も多くの
人たちに助けられ無事、終えることができました。
ありがとうございました!
生徒さんたちの美しい音を出そうとする姿勢、
その成長にはいつも心、揺さぶられます。

 毎年、演奏会はソロ(独奏)部門の第1部と
アンサンブルの第2部からなる
2部形式のスタイルをとっています。
第1部のソロ部門では、最後に必ずぼくも
ソロをやるようにしています。
休憩をはさんでからのアンサンブル部門では
生徒さんのサポートでけっこうな曲数をこなすので、
なかなかたいへんですが、
ソロを終えた後なので少し肩の荷もおり、
楽しむことができます。
(ソロはやっぱり、お客さんの視線が
自分1人に集中するので緊張のピーク)

ギタリストが2人いれば、アレンジによっては
無限のレパートリーにチャレンジできる可能性が
ギターにはあると思う。
ソロでは味わえない、豊かな響き、
音によるコミュニケーション、
時には、かけひき、スリル・・・なども
アンサンブルの魅力。
ギター以外の楽器との演奏も音楽の
喜びの世界を広げます。
音量、音質などのバランスから、ギターとの
デュオ相手として比較的相性がよいのは
フルート、ヴァイオリン、
パンディエロ(ブラジルの打楽器)などと思います。
もちろん、気をつければ、音量にずいぶん差のある
ピアノとのデュオもたいへん美しい。
まあ、事実見渡してみてもギターほど
多様なジャンル、
他楽器とからめる楽器は他に、
見つからない気もする・・・。

 ぼく自身、これまでいろんな楽器と
共演してきましたが、
多くの感動と発見がありました。
若いころ、初めて弦楽4重奏
(ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ)
と合わせていたら、
楽譜通りインテンポ(一定の速度)で
ギターを弾いていても、なんだかリズムの軸が
ずれてしまう。
もっといえば、自分の弾いた
ギターのちょっと後から、
他の弦楽器の音が鳴るのです。
この原因に気づくのにそう多くの時間は
かかりませんでしたが・・・。
つまり、それは音の出し方の決定的な違いです。。
ヴァイオリンも、ヴィオラも、チェロも大きくは
ギターと同様、弦楽器に分類されますが
ギターは主に指で弦をはじくのに対し、
他の楽器は弓で弦をこすります。
ギターは弦を弾けばレスポンス早く、
スッコーンと音が出ますが
ヴァイオリンなどの弦をこすって音を出す楽器は、
こすってから音が立ち上がるまで、
ギターに比べたらほんの少し遅くなる。
この違いはギターを弾く姿、ヴァイオリンを弾く姿は
見たことがありましたから周知のはず。
しかし、このような演奏時に起こる問題は、
実際に一緒に演奏してみるまでは気づかない。
ここで、他楽器奏者との相互理解や
思いやりの心が芽生えるわけです。

 最近、久しぶりにヴァイオリンと
デュオ共演する機会が増えました。
普段1人では手の出せないレパートリーなんかも
弾くことができるし、
デュオの特権で相手と親密に会話しているように
演奏できることも楽しい。
自分は、大人数の中での協調性に
欠けているような気もするので
やっぱり、デュオやトリオのような
小編成の方が自由で好き。
(と、いいつつ自分の教室の毎年の演奏会では
大編成アンサンブルを指導するという矛盾・・・)
ぼくは、ヴァイオリンと共演させていただく時は、
なるべくフレーズの始まる直前、
弓が弦上にセットされるのを注意深く
見るよう心掛けています。
それは、弓が弦をこする瞬間と同期するように
ギターを弾けば音楽の調和を
生み出すことができるから。
お互いの呼吸を合わせるというイメージ。
相手の音をよく聴くことも大切ですが、
それと同じくらい
”見る”ということも重要な行為なのです。

10月のスクールでのサロンコンサートは
8日(土)の19:00より。
ヴァイオリンの大坪先生とのデュオがメインです。
バッハ、フォーレ、バルトークの他、
ジャズやポピュラーなどを
楽しいおしゃべりを織り交ぜつつ。
ワイングラスでも傾けながら、
気軽に聴けるコンサートです。
詳細はFacebookページにて。飛び入り演奏も歓迎。

8月の日記


薬指の想い出


 いよいよ、大ホールでの教室演奏会が
迫ってきました。
(9/4 13:00 府中中央文化センターひばりホール)
普段は住宅事情や練習できる時間帯の関係で、
なかなか大音量で弾けない人もいるかと思いますが
ステージではダイナミックなタッチで豊かな
響きを聴かせたいもの。
(普段から小さな音で練習していると、
それが習慣化したりギター自体も小さな音の楽器に
なってしまうので気をつけたい)
弦が古いと、音に張りがなくなり、
音量も出なくなるので
本番前はやはり新しいものに張り替える
必要があります。
しかし、クラシックギターの新しい弦は音程が
安定するまで少し時間がかかるので
張り替えるタイミングが難しい。
それは張り替えてから本番までの経過時間と
練習量が必ずしも比例しないから。
1日数時間、練習する人は2日もすれば
低音弦はすでにヘタってくるでしょうし、
1時間未満だったら1週間くらいは新しい弦の
状態をキープできます。
本番までの練習量を考慮、逆算して個人個人が
自分にあった張り替えのタイミングを
見つけていくしかない。
(音程が安定してから、ヘタるまでの弦の旬の
時間は意外と短い・・・)

 弦とともに、ギターで音質をつくっていくのに
重要な役割をになっているのは右手です。
職業上、または皮膚が弱いなどの関係で爪を
伸ばせない人もいますが
右手の爪をちょっとでも(2,3ミリくらい)
伸ばせるなら、
クラシックギターでは音色のバリエーションの幅が
広がります。
もちろん、爪を伸ばさず、指の肉部分だけでも
演奏は可能ですが、
最初に指の肉が弦に触れそして少し伸ばした爪を
引っかけて抜くというタッチも
魅力的な音をつくりだします。
また、爪のみでの硬質な音色も出すことができます。
しかし、ただ伸ばせばいいというわけでもなく、
毎日、最低でも2種類(粗め、滑らか)のヤスリでの
手入れも必要です。
せっかく音楽を演奏するわけですから、
楽譜通りに弾くとかも重要ですが
それ以上に美しい音を出すことも
忘れてはなりません。
ぼくは爪が弱く、割れやすいので、
ギタリストの中ではかなり短い方だと思います。
とくに、薬指が割れやすいので、数日に1回必ず、
「アロンアルファ釣り名人」(瞬間接着剤)を
うっすらと右手薬指の爪の先端部に塗って
保護するようにしています。
これは割れ防止にもなり、爪に厚さがでるので
音質も向上します。
爪のケアはいろいろ試してきましたが、
コストパフォーマンスも高く、
扱いも簡単なので近年はもっぱらこの
「釣り名人」のお世話になっています。

 大切にしているはずの爪ですが、
その少し伸ばした爪に先日、
牙をむかれてしまった・・・。
自宅での仕事に煮詰まって、脳みそが溶けだすと、
散歩にでて気分転換をするのが常。
しかし、散歩だけでも解消しなければ、
思いきって近所の温泉に行ってしまう。
数日前もそんなことがあった。
広々として天井の高い浴場、真新しい香りの檜風呂、
空を見て寝そべられる露天風呂、
サウナのあとのキンキンに冷えた水風呂・・・etc。
もともとたいした内容物の入っていない
頭ではあるが、
空っぽにすることができるひととき。
そして、洗い場での出来事。
開放感のあまり、家風呂では泡があまり
飛び散らないようにチマチマ洗っている髪を
なんだか豪快に男らしく、
両の手でわしわし洗っていたら、
勢い余って右手の薬指がスポッと
右の鼻の穴に入ってしまった。
こんなことってあるんですね・・・。
鼻の穴におさまった指は左手のものではなく、
爪を伸ばした右手。
鉄のにおい、いやーな予感、足元に落ちる赤いもの。
鼻の中の血管にぐっさり爪が食い込んで、
温泉でまさかの鼻血大出血サービス!?
うーむ、温泉で血行がよくなったのか、なかなか、
止まってはくれない鼻血だったのです。
みなさん、シャンプーの時は指が鼻の穴に
入らないように気をつけましょう。



7月の日記


リハーサル始動


 今月から9/4の府中中央文化センターでの
教室演奏会のための合同リハーサルが始まりました。
本番まであと1ヶ月ちょっと。
みんなで、意見を出し合いながら、
ワイワイ楽しく音楽を構築中!
ひとりひとり、独奏の練習も忙しいですが、
この全員で演奏するアンサンブル曲も
がんばってもらっています。

このために今年はピアソラの
アディオス・ノニーニョを4重奏形式に
アレンジしました。
アディオスとは、スペイン語で、さよならの意味。
ノニーニョはピアソラのお父さんのことです。
つまり・・・「さよなら、お父さん」
1959年の作品、当時ピアソラはニューヨークで
音楽活動をしていましたが
故郷アルゼンチンでのお父さんの死の際、
貧しさのため帰郷できなかったらしい。
その失意の中で書かれた
このアディオス・ノニーニョには
深い悲しみが刻み込まれていますが
ただその死の闇の一面のみが
描かれているのではない気がする。
ピアソラ特有のタンゴリズムはいくつかの転調や、
テンポチェンジを経て、
ドラマティックな展開をみせる。
この曲は、どこを切り取っても至高の
メロディーにあふれていますが、
救いのない悲しみだけではなく、
どこからか一筋の光や希望がさしてくるような
不思議な魅力がある。

 ピアソラ作品は
ギター独奏曲「ブエノスアイレスの四季」、
フルートとのデュエット「タンゴの歴史」など
クラシックギタリストにもとても愛されている。
しかし、弾くのはなかなかたいへんだ。
ピアソラは、和声に半音、全音などの
近い音程の音同士を、あえてぶつける不協和音を
けっこう使うのでギターにとっては、
これは左手ストレッチの要求を意味する。
鍵盤楽器では簡単だろうけど、
ギターではこれはムズカシイのだ・・・。
今回のアンサンブルのアレンジでは、
それぞれのパートの難易度は
あまり高くならないよう気をつけた。
ピアソラの音楽を初めて弾いた人には、
いずれ他の美しいピアソラ作品にも
挑戦してもらいたい。
負荷はやや強めですが、
負荷のないところに成長はないのだから。

 今年も暑くなりそうです。
体調に気をつけて有意義な夏を過ごしましょう。



6月の日記

続けること

 教室から近所も近所、歩いて2分くらいの
川沿いにヴァイオリン教室があります。
縁あって、そのヴァイオリン教室を
経営されている大坪先生と先日、
八王子のとあるイタリアンレストランで
デュオコンサートをさせていただく
機会がありました。
この先生、御年79。
とてもダンディでヴァイオリンの音色にも艶がある。
(若いころはさぞかし、モテたろう・・・今も?)
かつては、様々なオーケストラや、
スタジオミュージシャンとして活躍していて
世界中も旅し、たいへん博学。話も面白い。
この日、大きな演奏会場ではないので、
20人も入ればいっぱいの場所でしたが、
ヴァイオリンのお弟子さんや
飛び込みのお客様などで満席。
演奏プログラムのデュオ曲は
あらかじめ数曲(バッハ、ジャズ、映画音楽etc)、
リハーサルしておき
デュオ→ヴァイオリンソロ→デュオ→
ギターソロ→デュオというスタイルで数回転
それぞれMCをはさみながら、進めていきました。
ソロはざっくりこんな曲を弾いていこうと
考えていましたが、コンサートの雰囲気をみながら
曲順を変えたり、即興部分をつくったり、
予定外の曲を演奏したりと微調整していきました。
どんなコンサートでも直前は緊張のあまり、
やっぱりひきうけなけりゃよかった・・・、とか
はやく帰りたい・・・、と思ってしまうもの。
でも、始まってみれば、
お客様の演奏を見つめる眼差し、
演奏後のため息、暖かい拍手の
空間ができてしまうと、ギターを弾くことが、
楽しくなってくるのが不思議。
今回のアットホームなコンサートはとくに
そんな気持ちにさせられました。
(もっと楽しんでもらおうと、
サービス心にも火がつく!)
それにしても、世代の違う優秀な
先輩ミュージシャンとのアンサンブルは
学ぶこともとても多く、
音楽することの喜びを新たにすることができた。
久しぶりのヴァイオリンとのデュオ、
音を通じて心の交流ができたことに
感謝するばかり。
2ステージ、終えた後はワインを
たくさんいただいてしまった。
(いつものことか・・・)

 やっぱり、ステージに立った時に、
お客様に美しい音楽を届けようとする
余裕ある心境に至るには
日ごろからなるべく人前で
演奏する(場数をふむ)機会を
つくっていくしかない。
もし、人前での演奏が年1回の
発表会だけだったら、頻度としては足りない。
最初から最後まで緊張して
おしまいってことにもなりかねない。
たまに行く海外旅行のために、
ふだん語学の勉強をしていないのに
旅行1か月前だけ気合をいれて
詰め込んでも、現地ではなかなか
満足のいく会話ができないのに、似ている。
包丁も時々、気にかけて研いであげないと、
いい仕事をしてくれないのだ。
技を磨くには、他者の目が絶対に必要。
家族でも友達でもいいから、
とにかく人前に自分の演奏をさらし、反応をみて、
気づき→小さな改善の繰り返しで
進歩していきたいもの。

 どんなレベル、趣向でも何か自分の好きな
楽器を見つけて、練習を続けることには、
たくさんのギフトが用意されているように思う。
外国語ができなくても、
年齢や生きてきた環境が異なっていても、
音楽という仲介者によって、どんな国の人とも
コミュニケーションが可能になる。
リズムやメロディーやコードは世界共通言語だから。
(楽器ができなくたって、手を打ったり、
キッチンにあるありふれたものを打楽器に
見立てて音楽することもできる)
あと、音楽のよいところは引退なく
一生続けられることと、年齢を重ねることによって
表現力が深まって(たぶん・・・)いくことか。
今回、ご一緒させていただいた大坪先生は
ピアニストの舘野泉さんと大学の同級生だそうです。
舘野さんは66歳の時、脳溢血で倒れ、
右半身が麻痺してしまったため右手は
使えなくなってしまった。
しかし、それでもあきらめることはなく
左手だけでの演奏で再起をはたし、今も現役。
どうだろう、その演奏は・・・。
目を閉じてそのピアノに耳を傾けたなら片手だけで
弾いているようにはとても聴こえない。
両手があって、とくにハンデのないギタリストが、
彼の演奏を目の当たりにしたら
「このフレーズ弾けな~い」とか
「指が開かな~い」とか言えなくなるだろう。
想像を絶する苦しみの中から、
いや悲しみや満たされない状況を乗り越えてこそ、
人の胸に響く美しい音にたどり着くことが、
できるのだろうか。

5月の日記

あるく

 9月に行われる教室恒例の演奏会フィナーレでは
毎年、出演者全員(有志)でステージにあがります。
今年の課題曲、
ピアソラの「アディオス・ノニーニョ」の
アレンジがやっと完成しました。
この曲は多くのミュージシャンにとりあげられ、
ピアソラ自身の演奏にもいくつかの
パターンがあります。
数多く存在する楽譜や音源は、どれも微妙に
(あるいは大きく)構成や小節数が異なるので、
どれが本来あるべき姿かがわからない。
教室の生徒さん用にと構成をまとめ、
アレンジし直す作業はなかなか骨がおれましたが
美しいアンサンブルができそうです。

 演奏会が終わって、
秋が深まるとまた旅に出たくなる。
今年はまたスペインに行くことにしました。
飛行機のチケットはすでにおさえましたが、
今年は安くてびっくり。
近年、海外への航空券(すべて往復の話)の
購入には航空券料金の他に
燃料サーチャージというものが加算されます。
これはしばしば変動するもので、今まで、
ぼくの経験で高い時では、
航空券と同等かそれ以上ということもありました。
たとえば、額面が5万円という航空券を買おうと
支払額をチェックすると最終では10万円くらいに
なっているということ。
数年前、地球の裏側ブラジルに行った時は
そんな高い時期だったので、
かなり懐に痛かった記憶がある・・・。
その燃料サーチャージは、世界経済、
原油の価格諸々の影響から現在、なんと0円!
インターネットでいろいろと格安の航空チケットを
探すわけですがスペインのマドリードへの
往復チケットの最安は海外のサイトで
48.000円というのを見つけた。
桁は間違っていません、5万円以下です!
へたな国内旅行より、
ヨーロッパの方が安いなんて・・・。
もちろん、盆や正月といった多くの人が
旅行する時期だとこんなに安くはならないでしょうが。
最安で買ってもよかったのですが、
念のため何かあったときの事を考え、
海外の代理店で買うのは控え、
国内のネット代理店からチケットを購入した。
といっても、東京・マドリードの往復が
53.000円ほどだったので、
ちょっとした安心料と思えば高くありません。
海外に行くなら、今は絶好の時期。
燃料サーチャージはそのうちまた
復活するでしょうから。

 ぼくは立っていたり、歩いたりするのが
けっこう好きです。
雨が降っていようと、買い物かねて、
あるいは用事がなくても、1日1回は必ず散歩に、
いきたくなる。
じっと座っているのが苦手からか、家でひとり、
ワインを飲む時も気づいたら
本読みながら立っていたり。
スペインのバルなんかでは、
立ち飲み文化は当たり前だし、
日本でも最近そんな店も増えているようですが、
何かに影響受けてというより、
元来そんな性質が備わっていたようです。
実際、立つ・歩くには、
煮詰まった時に気を紛らわしたり、
心の乱れを鎮める効用があるように思う。
そういえば以前、お寺で座禅を学んだ時も、
座ってのみならず、歩きながら行う
歩行禅というのも教えていた。
・・・今年はスペインに行くに際し、
ずっとやってみたかったことに
挑戦することにしました。
ローマ、エルサレムと並ぶキリスト教の
三大聖地である
サンティアゴ・デ・コンポステーラは
スペインの地図で見るところ左上のはしっこ。
フランスとの国境付近からこのイベリア半島を
西に向かって横切る道がかの有名な
スペイン巡礼の道。

 スペインはもう、おそらく10回近くレンタカーで
旅をしているが、その景色の豊かなバリエーションといったら。
青い地中海と白い壁の家々とのコントラスト、
美しい牧草地と羊たち、果てしないオリーブの木々、
険しい山肌、驚きっぱなしの奇岩群、
ドン・キ・ホーテの風車・・・。
こんなにも、ただ走っているだけでも
飽きることなく、
多様さを見せつけてくる国もなかなか他にない。
数年前にこの巡礼の道も車で走り、
サンティアゴ・デ・コンポステーラまで行った。
その時、ハンドルを握りながらバックミラーに
小さくなっていく巡礼者たちに少し
罪悪感を持ちながらも、
ひたむきで寡黙なその力強い歩みに
心うばわれていった。
その時、いつか、自分もこの道を
正統派(?)巡礼者となって自らの足で
歩いてみたいという気持ちが芽生えた。
この道は、キリスト教聖地への巡礼といっても、
キリスト教の人もいれば、異なる宗教の人もいる。
宗教を持たない人も歩いているし、
様々な国の人々が、様々な動機
(仕事や人生に行き詰ったり、愛する人との別れ、
パートナーに先立たれり、
自分自身を見つめなおしたい、
何か見えざるものへの救いをもとめて・・・etc)
を胸に秘めサンティアゴ・デ・コンポステーラを
目指し、気の遠くなるような道のりを、
ひたすら歩くのだ。
ぼくは歩くことが好きだ。
だから、しばしスペインの情景にまぎれて、
ただ歩こうと思う。

 道のり、およそ900キロ。
旅のための日数は調整、がんばって2週間確保。
飛行機に乗る時間などを差し引いたら
実質歩ける日数はよくて10日くらいだろう。
平均的な人の歩く速度はだいたい
時速4~5キロくらい。
巡礼は、急ぐ旅ではない。
もちろんこの程度の日数の旅1回でこの全行程を
歩くことは不可能なので
何年かにわたって定期的に時間をつくって、
分割してトライするのが現実的。
(去年の終点から今年は歩きはじめよう、
といったように)
巡礼者のための宿泊施設(アルベルゲ)も
道沿いに多く点在し、易しくはない道程だが、
巡礼者を温かく見守る地元の人たちの
ホスピタリティの
精神もしっかりと根付いているので
安全に旅ができそうだ。
普段、週に3日くらい5、6キロの
ジョギングはしているが、
そんな体力で太刀打ちできるだろうか・・・。
とりあえず、そろそろ大きなバックパックと丈夫な
トレッキングシューズを買って
それらを装着し、イメージトレーニングしながら
近所を徘徊してみようかしら・・・。

4月の日記

ブラウズ

 春がやってきたので、
今年も野菜の苗を近所のホームセンターで調達し
ベランダのプランターに植えました。
しばらく取れたての大葉、バジル、トマト、ゴーヤ、
ミント、パセリなどが食卓に色をそえてくれます。
 4月といえば、そろそろ教室では秋の演奏会の
曲決めの時期となります。
早いようですが、本番が9月のあたま。
5月から譜読みを始め、暗譜、弾き込みの時間として
4ヶ月を費やす計算とすれば
決して早すぎるスタートということはありません。
やはり、年1回の大きなステージなので、
じっくりと取り組みたかったものを
この機会に選曲してもらいたいです。
そして、単に練習をたくさんするだけではなく、
しっかり楽曲分析、
その曲の時代背景なども勉強して、
個性的な演奏も目指したい。

生徒さんの選曲に際しては生徒さん自身が
これやりたい!と
もってくる(だいたいその場で即決)
こともあればぼくが4~5曲、候補を提案して
その中から選んでもらうパターンもあります。
今年は、どうもぼく提案を要望する生徒さんが
多いような気がする・・・。
この場合は、まずどんな曲を弾きたいか
いろいろと聞き取り。
作曲家は?、いつの時代?、どこの国?、
速い・遅い?、明るい・暗い?などなど。
それぞれの生徒さんの嗜好を想像しながら、
かぶらないように選曲するので
けっこうな数の曲を掘り起こす作業になる。
自分の知っているもの、
弾いたことのあるものばかりでは
毎年のルーティンになってしまうので、
なるべくそれは避けたい。
自分が過去、買いためてきた膨大な楽譜の中で
きちんと弾いていなかったものを
弾きなおしてみたり、
もちろんインターネットも大いに活用する。
たいへんなことですが、好きな作曲家に
こんな隠れた名曲があったのか、とか
昔はよくわからず弾いていた曲が今では
理解できるようになっていたり、
まったく知らなかった面白そうな曲との
出会いがあって
実は、自分にとっても収穫がある。
生徒さんのために探していたのに、これは!
という曲を発見して生徒さんに
渡さず自分で弾いちゃおっと・・・。
と、いったこともしばしば。

ここまでは、演奏会第1部の独奏の選曲のはなし。
1部ではしっかりとしたクラシックを弾くので、
第2部のアンサンブルコーナーでは
あまりクラシックにこだわらず、ジャズ、映画音楽、
ポピュラーなど堅苦しくない音楽をおりまぜます。
それは出演者の緊張をほぐし、アンサンブルの喜びを
感じてほしいのは、もちろんのことですが何より、
お客様にも楽しんでもらいたいから。
(ぼく個人としては、コンサートにいって
すべての曲が格調高かったり、
シリアスだったら疲れる)
このアンサンブルの部では、
ぼくと生徒さんの二重奏、
生徒さん同士、全体合奏と
様々なコラボが生まれます。
そして、この曲やりたい!あの曲やりたい!と
リクエストもかなり出てきます。
それらの曲にギターアンサンブル用の楽譜が
なかったら、アレンジをするし
そもそも楽譜が見つからなかったら
(音だけは存在する)ゼロから
採譜もしなくてはならない。
リクエストを断れない気弱な自分・・・。
作曲の仕事もあるので、何かを書いたり、
録音したりに加え、アレンジしたり、採譜したりで
常に10数曲は並行して処理していることになる。

ブラウズ(browse)という動詞がある。
あれこれ見て回る、とかパラパラめくって
拾い読みするなどといった意味。
ぼくは性格的に1つの仕事に集中してワーッと
一気にかたずけられないので、
それぞれの仕事を少しずつこなし、
その積み重ねでゴールを目指すタイプと思います。
タイマーを30分に設定して、
タイマーが鳴ったらとにかく
今やっていることを切り上げ、
次の仕事にとりかかる。
そんな30分の繰り返しでなるべく
すべてのやりかけの仕事に毎日、
目を通すようにしている。
まさにブラウズするといった言葉がしっくりくる。
 演奏会のフィナーレでの全員参加の
アンサンブルも今年で5回目。
1回目はファリャの「はかなき人生」、
2回目はロドリーゴの「アランフェス協奏曲」、
3回目はブラジルの名曲メドレー、
4回目の去年はラヴェルの「ボレロ」。
すべてこの演奏会のために、1人でも多くの人が
参加できるよう心掛け、
ぼくがアレンジしてきました。
これまで、スペイン、ブラジル、フランスなどの
国の音楽を取り上げてきたので
今年はまた趣向をかえて、
アルゼンチンでいくことにしました。
ただいま、ピアソラの珠玉の名曲
「アディオス・ノニーニョ」を
4パートからなるアンサンブルにアレンジ中!
美しいメロディーとハーモニー、
躍動するリズムがピアソラの特徴。
楽しいこと、間違いなし!お気軽にご参加ください。
(5月中完成予定)


3月の日記

キューバのリズムで


 先月は流血沙汰
(缶詰で親指の付け根を切る自業自得)があった。
3針の縫合手術から抜糸まで、
傷が深かったので大事をとって
2週間ほどの時間をかけた。
おかげで抜糸後の今では傷跡もほとんどなく
回復することができました。

 4月10日は教室のサロンコンサートです。
第1部の自由参加のコンサートでは出演者募集中!
普段の練習のブラッシュアップに、
ソロ、アンサンブル、ノンジャンル、
お気軽にご参加ください。
聴講のみも歓迎。
第2部のミニ講座のテーマは「旅と音楽」です。
旅を楽しむ重要要素はやはり、
彼の地での食、出会い、そして音楽。
それらを満たす、ぼくの何度でも
訪れたい国は間違いなく
スペイン、ブラジル、キューバの3国です。
昨年は久しぶりキューバに行って、
ある程度予想していましたが
トホホ体験、怒り、喜び・・・
やはり、いろいろありました。
キューバはアメリカとの国交正常化を目前に、
10年前のキューバと明らかに異なり、
新しい時代にむけて変化し続けているように
見えました。
もちろん、インフラや通信システムなどまだまだ
多くの課題が山積みですが。
しかし、結果としては、この国特有のトラブルや
不便すらスパイスとして許せてしまうほど
素晴らしい旅を体験させてくれた
キューバがまた一層、
好きになってしまった。
サロンコンサートではギター演奏と
スライド写真を交えながら、キューバを中心に
旅のエピソードをお話します。
ついつい腰が動きはじめてしまう
魅惑のキューバのリズム!
誰でも参加できる打楽器を使ったキューバ音楽の
リズムセッションもやります。

 毎回、サロンコンサート後もバータイムとして
賑やかに食べたり、飲んだり、おしゃべりしたり、
セッションしています。
前回のバータイムではダッチオーブンで
鶏の丸焼きをやりました。
ダッチオーブンは主に野外で使うものですが、
ベランダでも炭さえあればできます。
鍋自体とても重たい鉄でできていて、
さらに重厚な蓋もついている。
底には3本の足がついていて、蓋の上にも炭を
のせることができるので食材を下から上から
じっくりと焼き上げることができる。
鶏の丸焼きは感動的な美味しさで盛り上がりました。
また、つくる予定です。


春のサロンコンサート
4/10(日) 柴田ギタースクール

16:00~18:30(1部・2部)
18:30~22:00(バータイム)
ギター&話 柴田洋

ご予約の上、お気軽におこしください。
モヒートもあります!
facebookページからも予約可能)

2月の日記

叱られて・・・

 久しぶりに縫ってしまった。
と、いうか縫われた。
キッチンで料理中に、左手の親指付け根を
ざっくりやって、三針も縫う羽目に・・・。
幼稚園くらいの頃にテーブルに顎をぶつけ、
そして小学生の時には跳び箱からの
着地失敗で顎の強打。
2度とも縫うようなケガを顎で経験した
あの遠い日の記憶がよみがえってきた。
ある日の昼食、自宅でパスタを
つくっていている時にその悲劇が訪れた。
麺をゆでながら、フライパンの中のオリーブオイルに
ニンニク、ベーコン、鷹の爪などで香りをつける。
麺はゆですぎると美味しくない。
ゆでた直後にフライパンでオイルを
からませながら熱を加えることを
計算にいれておくと、少し硬さの残るうちに
鍋から引き上げなくてはならない。
つまり、それはするどい観察眼を
要する真剣勝負。タイミングとの闘い。
オイルに投入するものには、あとアンチョビが・・。
手際よくその平べったい缶詰の蓋も
開けなくてはならない。
素早い調理と、丁寧さを欠く行動は背中合わせ。
今回は自分の行いの雑さが勝ってしまった。

 プルタブを引っ張って開けるこの平べったい
アンチョビの缶はアンチョビの形状に合わせた
作りになっているのだろうが丸い缶に比べて
開けた時の鋭い蓋が細長いので
以前から危険だと思っていた。
思ってはいたはずなのに、
痛手を負ってしまった愚かな自分。
この日はまず、左手で固定して右手でプルタブを
引っ張ったが、一度で引きはがせなかった。
そして、一旦、パスタの茹で加減をみる。
その後、また別の作業をしながら左片手だけで
残りの蓋をはずそうとしたら
思わぬ方向に蓋がイナバウアー、
のけぞって親指の付け根に
突き刺さったというわけだ。
最後まで両手で慎重にやらなかった自分を責める。
傷は横3センチ以上、
深さは1センチはいっていただろう。
人生いろいろ怪我もしてきたが、
自分の内部をのぞくには記録的な深さだ。
とりあえず、絆創膏を3枚、きつめに重ねて貼ると、
この傷の大きさにしては、
比較的はやく、血が止まってくれた。
血が止まったので、何はともあれ
出来上がったアンチョビ入りパスタを食す。
味はなかなか。

 その後、午後のレッスンは絆創膏3枚で続行。
左手の親指はギターを弾くときは
あまり曲げないので、
メロディーなんかを演奏するにはこの怪我でも
意外と出来たが、さすがにコードを
おさえたりするような、
少し力を要する時には傷口が
じわじわと開いていくのが絆創膏3枚の上からも
見えるようだ。
この時点では、生徒さんにもばれていないし、
自分の自然治癒力を信じてみようと思っていたが。

「せんせい・・・血、でてますよ・・・」

「あっ、やっぱ、ばれちゃった・・・はは・・」

傷の程度を話したら、生徒さんに病院で
縫ってくることを勧められた。

「そうだよね、実はぼくもそうした方がいいと
思っていたんだ・・・はは・・」

あっさり根拠のない自分の回復力信仰を捨て、
有難い生徒さんのアドバイスを
受け入れることにした。
翌日、病院で縫合手術となり、
上記の写真となったわけです。

手術を担当してくれたやや手荒な老先生に、
ギタリストなので包帯は少なめで・・・と、
低姿勢でお願いしたら

「ばかたれ、きちんと治すことが先決じゃ!」

と一喝され、何だか余計に、
多めにグルグル巻きにされたような気が
しないでもない。
抜糸まで1週間くらいかかるそうです。
忙しい時こそ、丁寧な所作を心がけよう。


1月の日記

何きっかけ?


 年に1回ほど実家のある札幌に帰省していますが、
このところは夏に帰ることが多かった。
この冬はなんだか無性に北海道の雪を
見たくなってしまったので、新年明けてからの2日に
飛行機に乗りました。
北海道でのささやかな目的は雪が静かに降る
温泉地の露天風呂につかることと
小樽あたりのひなびた居酒屋で地の肴でこれまた
雪を眺めながら日本酒でもやること。
数日の休暇でしたが、ギターやパソコンは
持っていったので午前中は練習やら勉強やら仕事を
ちょこっとやってから、午後は映画を見に行ったり、
そんなささやかな目的を果たすために、
背中をまるめて寒空の下を滑って転ばないように
ゆるゆると徘徊しながら
やっぱり北海道の冬景色は格別だな・・・、
と感じていた。

 ぼくがギター教室をはじめた頃
(あれからもう20年は経過してしまった・・)の
生徒さん募集の媒体といえば専ら
電話帳広告がメインでしたが、
昨今はインターネットの比重が圧倒的で、
しかも無数の検索サイト、
フェイスブックなどのSNSの
複雑なネットワークが絡み合い、訪れる生徒さんが
何のきっかけでこの八王子のギター教室を
知りえたのかがわかりにくくなっている。
 この教室のホームページを初めてつくったのは
2003年だから13年たったことになり、
パソコンに関しては誰かに
習ったことなどなかったから、
ホームページ開設時や運営を始めてからも、
解説書などを大量に買ってきて
孤軍奮闘、自分なりに勉強を続けるしかなかった。
このホームページの中にギター講座というページが
ありますが、これはぼくがレッスン中に生徒さんに
今勉強していることをまとめたプリントがパッと
出せないものかと、思いたってコツコツと
まとめはじめたものです。
それらの項目はぼくのパソコンの中だけに
とどめておいてもよいのですが、
どうせなら多くの人にシェアしたいと考え、
ホームページ内に公開してきました。
もちろん、
「そんなことわかってるよ!」というような
やさしい内容もありますが、
中にはけっこうマニアックなものも・・。
ページのコンテンツはリズム、スケール、
ハーモニーなどに大きく分類され現在、
全部で45項目ほどになっています。
何かを習熟し、長い時間が経過してしまうと、
自分がそれ(この場合、ギター)を始めた頃の
苦労を忘れがちになってしまうものだから、
初心者の方が悩んでいることに疎くなってしまう。
世の中には、教則本や理論書は
たくさんでていますが、
難しい内容を難しく書いているもの、
やさしい内容を独特の専門用語でわかりにくく
書いているものも多く、
また情報が多すぎて逆に何をチョイスしてよいのか
迷ってしまう状況にもある。
教室に体験レッスンで訪れる方の中には、
音楽理論などでわからないことがあって
インターネットでいろんなキーワードを
打ち込んで検索していたら
ぼくのギター講座のページにヒットした、
と言う方が時々います。
そしてぼくのページが
1番わかりやすかったとか・・・。
ぼくもまだまだ修行中の身ながら、
難しいことをなるべく平易な表現で、
やさしいことはよりわかりやく人に
伝えたいとう心情があるので、
こんな言葉をいただくと、嬉しい。

セレンディピティという言葉がある。
これは何かを探していたら、探していたものとは
別の素敵なものが偶然見つかること。
レッスンをしていると、そんなことがよくある。
あれも教えたい(書きたい)し、
これも教えたい(書きたい)し・・・と、
いった風に閃きが湧き出てくる。
今年も誰が読んでくれるかわかりませんが、
このホームページで少しは社会的有用性の
あることを地道に更新していこう!



2015年


12月の日記


自ら癒す


 教室の今年最後のイベント、
忘年会も賑やかに終わり、
 2015年もいろいろあったなぁと、思い返す。
いろいろあったけれど、
実際はあっという間の1年で、
人間は年を重ねるほどに、時間の流れるスピードが
増していくのだろうかと思えてならない。
ぼくは仕事がら、自宅にいる時間が長いですが、
それでもイレギュラーな仕事も少なくないため、
ルーティンで、いつも心穏やか・・・
というわけには、いかない。
そんなバタバタと忙しい日常、
世知辛い世の中だからこそ心落ち着ける時間を
意識的につくらなければ。
座禅組んだり、小説読んだり、音楽聴いたり、
温泉につかったり・・・。
ぼくは自分の心が刺々しくなってきたなと感じたら、
自然とバロックやルネサンス期の音楽、
ジョビンやジョアン・ジルベルトなどの
ボサノバなどが聴きたくなる。

とりわけ、バロックの巨匠、
バッハの音楽には癒される。
音楽評論家の吉田秀和さんは
著書「私の好きな音楽」の中でバッハについて
こう語っています。

 ーバッハは、バッハの作品は、私にとっては、
ヨーロッパ音楽のアルファであり、オメガである。
いや、始まりというより土台であり、
また、その最高の究極である。
私にとっては、音楽をきくということは、
それが特にヨーロッパ音楽である場合は絶対に、
多かれ少なかれ、バッハの音楽をきいている時の
その経験を土台にして、きいているといってよい。
その理屈をこまかく、ここで、書くことはできない。
いや、ここだけでなく、私には
いつまでたっても、できないかもしれない。
だから、私は、もっと、ひらべったく
「音楽とは何か?ということを、
自分はバッハによって知った」
と言っておけばよいのかもしれない。

 的確な表現だ。
ぼくもすべての音楽を聴くときの土台と
なっていると思う。バッハは。
15曲からなる、シンプルであるはずの
2声のインベンションにはモチーフの発展方法、
インターバルやリズムのバリエーションにおける
アイディアのすべてが盛り込まれているし、
和声的に制約をうける無伴奏チェロ組曲においても
単旋律なのに、複数のメロディーやリズムが
同時に聴こえてくる。

 こうして、バッハの大きな音楽の泉に
ふれることによって、やさぐれた心を慰められるのは
喜びに他なりませんが、
ぼくのようにちょこっとばかり
楽器(ギター)ができる人間には
もう1つのおいしい、おまけがある。
それは、自らがバッハを演奏し、自ら癒すこと。
ぼくの場合はヴァイオリンパルティ―タ第2番の
シャコンヌ、
リュート組曲BWV998のプレリュードなどを弾くと、
何だかゆっくりと心がほぐれていく感覚がある。
もちろん弾くのに易しい曲ではないから、
ミスったりもしますが誰のためでもない
自分のためだけに弾くバッハ。
演奏しながら、バッハの紡いだ音たちと
その美しさに、ただ無心にひたればいい。
近代の作曲家だとタンスマンなんかもいい。
バッハとも違った移り行く多調感と、
ロマンティックなメロディーのバランスが絶妙で
落ち着きたい時に弾くと意外に、しっくりくる。

 人にはいろんな感情の時がある。
楽しい、嬉しい、悲しい、怒り、不安、絶望・・・。
ポジティブな時はもちろん、
ネガティブになった時にも
音楽には少なからず救いの力があると思う。
楽器ができる人は、
「自分がこんな感情の時はこの曲を弾く」
なんていうレパートリーがあると
立ち直りのルーティンみたいなもので
役立つかもしれない。
来年もそんな音楽に、
1曲でも多く出会えればいいな。


11月の日記


キューバのトイレ事情



 超貧乏旅行ではない。
かといって金にものをいわせて我が物顔で
他国の上等なもの、
表面的なものだけを見る旅でもない。
節約しながらも、極力自分の足で歩き、
見たいものは見、聴きたいものは聴き、
食べたいものは食べることに妥協しない
庶民の旅。
今月はキューバに行ってきました。

 10年ぶりにメキシコを経由し、
家人と共にホセ・マルティン空港に降り立った。
今回のキューバもなかなか、強烈だった。
空港からタクシーで20~30分くらいで
ハバナ市街に到着する。
アメリカとの国交正常化のニュースを
聞いたのは今年のはじめ。
たった5泊しただけだから偉そうなことは
言えないけれど、
じわじわとこのキューバという国も
変わりつつあることを 肌で感じないわけには
いかなかった。
 キューバのトレードマークの一つである
革命前のボロボロクラシックカーは今も現役で
たくさんマレコン通りを走っていたけれど、
10年前よりあきらかに
近年に生産された新しめの車の比率が
増えてきた。
時計の針が止まってしまったような街並みにも
スマートフォンが普及し
(キューバ人はお互いの顔を
見ながら話したいらしく、
テレビ電話のように使っているのを多く見かけた)、
ハバナ旧市街ではヨーロッパからの観光客も激増し、
どこのホテルも平日にも関わらず満室状態。
宿泊先は、いつもの旅行のルールに従って、
一切予約していかなかったので、
寝床の確保に気をもんだ日も少なくなかった。
この先、アメリカ人がどっと観光でやってきら、
キューバはどうなってしまうのだろう?

 ハバナ到着翌日の早朝、国内線での
移動(ハバナ↔サンティアゴ・デ・クーバ間)の
ため再びタクシーで空港にむかった。
クバーナ航空には間違いなくインターネットで
予約を入れ、
プリントアウトしたeチケットを提示したにも
関わらず結局、
チェックインカウンターで、すったもんだの末、
飛行機に乗せないという大アクシデントの花を
ぼくの旅に添えてくれたのも、さすがキューバ!
コンピューターシステムの脆弱性ゆえだろう。
おかげで予定は台なしだ。
・・・まあ、それも旅か。
(予定変更して、ハバナから南へ飛行機で
30分くらいのフベントゥという島に飛ぶことにした)
キューバ人も言っていたがこの国営航空会社は
しょっちゅうトラブっているらしい。
ぼくが利用しようとしていた日も広くはない
出発ロビーには長時間、
フライトを待たされているお客さんが
大勢ぐったりとしていた。
しかし、キューバ人にとっては、
いつものことらしく腹をたてている人はいないので、
ここでもしみじみ、キューバらしいなあ・・・と
感心してしまった。

キューバでは 時々、とんでもない
公共トイレに遭遇する。
代表格はなんと空港! 国際、国内線の
発着をする国の玄関とも呼べる空港にもかかわらず、
国内線ロビーのトイレは、
便座なし、紙なし、水が流れない。
3拍子揃っているのだ。
キューバでは、道路、水道などインフラへの
テコ入れは 経済上、
はたまたあまり細かいことを気にしない
国民性ゆえかかなり、おざなりだ。
高級ホテルは、まあ問題ないだろうが、
中堅ホテルクラスからは、トイレの使用後に
流す水の水圧はけっこう低くなる。
中堅よりさらにリーズナブルなカサ等の
宿泊施設ともなれば、さらにその水圧は
がくんと落ち、
あまりに低い水圧のため排泄物が
ちょっと大きかったりしたら、
1発で流れるかどうかは、ギャンブルとなる。
しかも1回戦を負けたり、引き分けにした場合は
2回戦目を戦うための水がタンクにたまるまで、
しばらく時間がかかるので、その間沈思黙考・・・。

 旅にロマンと快適の両方を望む人は
キューバに行ってはいけない。
どちらも満たされれば、いうことなしだが
どちらかが犠牲になることもある。
もちろんその両方が失われる時も・・・。
犠牲になること、満たされない思い、
憤懣、それらすら楽しめる人は、
キューバに惹きつけられるだろう。
何故、キューバに行くのか?
もちろん最大の理由は音楽がいいからに
決まっている。
16世紀以降、ヨーロッパ人による
植民地化と奴隷制度の混沌、そしてアメリカの統治、
キューバ革命・・・。
様々な文化の化学反応がこの島にしかない
独自の音楽を形成していった。
 キューバではそこかしこから音楽が聴こえてくる。
生きる事と、音楽が密接に繋がっているようだ。
旅では屋外でトラッドなキューバ音楽を聴くことも
多かったがその編成は様々で
ギター、トレス、ウッドベース、ヴァイオリン、
ピアノ、マラカス等・・
しかし、どんな小さな編成のグループでも必ず、
ボンゴは入っている。
そのボンゴがもちろんマイクもPAも使って
いないのに、スッコーンと遠くまで届く乾いた実に、
心に響くいい音なのだ。
この島で作られた楽器だから、この島の空気や
湿度との絶妙な関係を結んでいるからこそ
ここでしか聴くことができない、
・・・そんな感動的な美しい音。
シンコペーションのリズムにのる、
メインヴォーカルの後にバンドメンバーがつける
コロ(コーラス)がさらにリズムのうねりとなって、
これまた気持ちいい。

 キューバを旅し、キューバ人と心で触れあう
機会を持った時に
日本では当たり前のこと、
例えばトイレの水が流れる、車や物がちょっと
古くなればすぐ買い替える、
社会や人間関係に絶望して鬱になる・・・など。
そんなことは、人間が生きていくことには、
本質的にはたいした問題ではないことを
痛いくらいに思い知らされる。
もちろん、日本にいい人間も、
悪い人間もいるように、キューバにもいい人間、
悪い人間がいる。
旅をしていれば、疲れるし、気も緩む時もあり、
そんな時は悪い人間にぼったくられそうになったり、
実際、ぼったくられることもある。
(ハバナは闇葉巻売りや、人力タクシーの
ぼったくりが多数、街中を徘徊してるので
気をつけるべし)
しかし、素晴らしい音楽に出会ったり、
空港や宿泊先が見つからず困っていると、
何のみかえりも求めず
この一旅行者を一生懸命、助けてくれる人が突然、
現れたりするのだ。
今回は、家人ととも同じ日にiPhoneを盗まれたり、
予約していた飛行機に乗れなかったりと、
トラブルが多かったが、その分、
助けてくれる人も多かった。
ぼくが、日本人ではなく、日本に来た旅行者で、
もし、このようなトラブルに見舞われ困っていたら
日本人はこんなにもぼくを助けてくれるだろうか・・・?
それくらいに、思えるほど今回はキューバ人に
助けられた。(飛行機、宿泊先の手配等)
 トイレの水が流れなかったり、少しくらい、
ぼったくりにあっても、
それらすべてがちっぽけな事に思えるほどの
おおらかな人の優しさや、
音楽の美しさがキューバにはあるのだ。

 旅の必需品は、人それぞれ、いろいろあるけれど、
投資0円で持っていける最も大切なものの
ひとつは「笑顔」だと思う。
もちろん、タクシーを利用して乗車前に
聞いた料金と、
降車時に請求される金額が違ったら、
運転手と大喧嘩することもある。
常に「笑顔」でもいられない状況もある。
しかし、旅の間中、ムスッとしてるのも
どうかと、思う。
「笑顔」には、語学力の補いや、
窮地を乗り切る(誰かが助けてくれたり)力がある。
そして、できればもうひとつこの
必需品があるといい・・・。
それは「楽器が弾けること」。
キューバ音楽のトゥンバオ(伴奏)をギターで、
弾くことができたので
キューバのミュージシャンとセッションの
機会が少し、もてた。
ぼくが典型的なトゥンバオのイントロを弾くと、
打ち合わせもしていないのに
すぐにバックのメンバーがバーンと、
入ってくるのは、感動的。
一緒に演奏した後は一気にうちとける。
異なる言語を使っていても音楽をするもの同士は、
音楽によってまさに国境を越える
コミュニケーションができることを、
再認識することができた。

今回のメキシコ旅行記、キューバ旅行記は、
旅のページでこれから順次、書いていきます。



10月の日記

Vamos a comer!

 来月はメキシコ、キューバへ旅する。
その準備をしているところ。
今回はトランジットとはいえアメリカにも
入国するので3ヵ国の入国に必要な書類等を
よく調べ、用意しなくてはならない。
メキシコはパスポートのみでとくに他は必要ないが、
アメリカにはESTAの取得、
キューバでは日本領事館に行って旅行保険証書の
提示やツーリストカードと
呼ばれるものを事前に取得しておかなくてはならない。
その他、情報収集、11月末のライブの準備、
仕事の前倒し貯金、レッスン調整、
国際免許証の取得など諸々・・・。

 日程は11/4~11/14までの11日間。
時差、移動時間を考慮すれば旅先での宿泊数は
8泊の計算になります。
いつも通り、具体的な宿泊先
(ホテル、その他宿泊施設)はまったく決めないで
出発しますが、
飛行機での移動スケジュールは、
無駄なく効率よく動けるよう、これだけは熟考。

東京→ロサンゼルス→メキシコ(1泊)→
ハバナ/キューバ(1泊)→
サンティアゴ・デ・クーバ/キューバ(3泊)→
ハバナ/キューバ(1泊)→メキシコ(2泊)→
ロサンゼルス→東京

実に飛行機の搭乗手続きは8回にも及び、
利用航空会社はシンガポール航空、アメリカン航空、
アエロメヒコ、キューバジェットの4社になる。

これだけ飛行機に乗る回数が
多くなってしまったのは
前回のキューバの旅では訪れることが
できなかった、
カリブ海ラテン音楽の心臓部ともいえる
サンティアゴ・デ・クーバまで足をのばすことに
したから。
(メキシコからサンティアゴ・デ・クーバへの
直行便があればよかったが、
これは存在せずとにかく1度ハバナに
降り立つしかない)
現在の首都ハバナから、このかつてのキューバの
首都まではなんと900キロ!
カリブ海に浮かぶ東西に細長い小さい島くらいに
地図上では見えてしまうが、
その面積は109.884平方キロメートルで、
日本の本州の半分にも相当する。
ハバナからレンタカーでも借りて気楽に
サンティアゴ・デ・クーバまでドライブでも
していこうかと思って距離をはかってみたら、
意外に遠くて驚いた。
10年まえにハバナに行った時もショートトリップで
レンタカーを借りたが、都市を離れれば
舗装された道も少なく悪路が続く。
さすがに限られた旅行日程の中で、悪路覚悟、
時間をかけてレンタカーでの移動は断念し、
ハバナからサンティアゴ・デ・クーバへは
キューバの国内航空会社の飛行機を予約した。
おそらく、時間やストレスやガソリン代などを
換算すれば飛行機の方が安くつくだろう。
(列車もあるが時刻表通り運行されること疑わしく
安くもなく、バスは安いが15時間もかかり
冷房が異常にきついらしい・・・)
この飛行時間1時間ちょっとの国内線の
往復料金は35.000円くらい。

 旅の大きな目的はやはりキューバ再訪。
アメリカとの国交正常化によって、
これから大きくキューバの経済情勢、
景観も変わっていく。
その前にあの時が止まったような街角の情景、
またそこから流れてくる音楽を目に耳に
焼き付けておきたかった。

 Vamos a comer ! これはスペイン語で
「さあ、食べよう!」の意。
ぼくの大好きな作家、島田雅彦さんは
「食いものの恨み」というエッセイの中で
「旅情の半分は舌で感ずるものだ」
といっています。
まさに同感、
ぼくも食に関心を持たずに旅をして何が楽しい?
と、思う。
旅先の名物はとりあえず口に入れてみたいし、
ローカルな市場ではどんなものが
売られているかも、のぞいてみたくなる。
食事はガイドブックにのってはいない、
観光客があまり行かないような地元の
人のための食堂なんかに行った方が、
ぜったい楽しいし、
思いがけないコミュニケーションが
生まれたりもする。
いろんな国の、音楽や芸術や文化を耳や
肌感覚でふれることも重要ですが、
彼の地の肉や魚や野菜を自分の舌や胃袋で
感じることは、それ以上に強烈な
旅のスパイスとなる。
10年前のキューバで驚いたのは
ロブスターの激安!
ハバナの中華レストラン食べた大ぶり、
ぷりぷり1匹もののグリルされた
ロブスターが1.000円以下。
無類のエビ偏愛者としてのぼくにとって、
キューバは、食においても天国なのだ。
今回、密かに自分に課したミッションは、
「1日1回、必ずロブスターを食べる!」です。
キューバの旅行記はまたこのホームページで
ご紹介いたします。


9月の日記

次はエレクトリック

 スクールの秋のアコースティック系
演奏会おわりました。
参加してくれた皆さま、お客様、
ありがとうございました。
フィナーレで出演者全員ステージにのっての
パフォーマンスは今年で3回目。
毎年、この9月の本番にむけて7月くらいから
近所の市民センターでのリハーサルが始まります。
今回選曲し、アレンジしたのは
ラヴェルの「ボレロ」。
誰もが知っていて口ずさめるくらい
有名なメロディーですが、弾いてみると
これが意外に難しい。
長い音符の後に、1拍を4つに
割った16分音符の
最後の音から次のフレーズが始まったりと、
リハーサルでは、誰かがその間を待ち切れず、
フライングする音がちらほらと聴こえてきたり・・・。
でも、やっぱりアンサンブルは音楽の
大きな喜びの1つです。
このチームワークで作品をつくる感動は
経験してみないとわからない。
 演奏会でのテーマは、みんなでつくる
ステージです。
多くの生徒さんに参加してほしく、
経験の浅い方でも無理なくできるパートを
つくるよう心がけています。
年齢や境遇も様々な人々の集まりなので、
なかなか一筋縄でいかないこともありますが、
だからこそ、何かの縁で同じスクールに
通う仲間として、学びと思いやりのある
コミュニケーションの場でありたいと願って。

 アコースティック系の演奏会を終えて、
次はこれも近年恒例の
秋のエレクトリックライブ
ひかえています。
場所はJR日野駅から歩いてすぐの
ライブハウス”Soul K”。
出演者もほぼ決まりました。
ロックやジャズを中心にしたノンジャンルの
楽しいライブです。
今年もこの日のためにオリジナル曲をつくっています。
いつも、ラストはギター奪い合いの
アドリブバトルになったりして・・・。


8月の日記

ソーセージ?


 8月は教室の秋の大ホール演奏会
間近ということで、
その準備でなかなか忙しい。
リハーサル、チラシ・プログラム・
タイムテーブル作成、
演奏前に影マイクで読む生徒さん自身に
作成してもらった
コメントの収集・まとめ、
スタッフとの打ち合わせ、
出演順・ステージ配置・演出を考えたり、と
出演者ひとりひとりにスポットライトをあて、
楽しんでもらえるようにたくさんの
細々とした仕事に心を砕きます。

 ぼくは外国旅行で痛切に感じることは、
普段勉強をさぼっている外国語は、
たまに出かけた旅先では使い物にならない。
例えば、逆にささやかでも筋トレや
ストレッチなどを
日常の習慣にしていれば、
体の軽やかさや病気への抵抗力は何も
やらないよりは格段に勝るはず。
楽器演奏においてもこれはまったく
当てはまって、
おそらく年に1回、ステージに立つだけでは
自分の理想のパフォーマンスには
なかなか近づけない。
たま~に、やることはだいたい緊張して
実力を発揮できない。
自分を表現するには、少なくとも年に数回は
自分を人前にさらす必要はあるでしょう。
人前にさらす機会を増やせば、
緊張感とも親和性が生まれて体が動いてくる。

 よく生徒さんに、どうしたら
緊張しなくなりますか?
と、質問をうけることがありますが、
常に表現が深まるよう努め、
いつも新しいことにチャレンジしていたならば
いい意味でも悪い意味でも緊張感が
ゼロになることはないと思っています。
勝負時でも、体がリラックスしてしなやかに
動くために、普段から心が穏やかになる
トレーニングをするしかない。
ゼロにはならないかもしれないけれど、
軽減することはできる。
一番、緊張するのはやはり、ステージ。
人前にギター1本持って出ていくのは
ほんとうに怖い。
直前は逃げ出したくなる。
とりあえず、小さな演奏会、
または友達や家族の前でも機会が
あれば演奏する回数を増やし、
常に緊張状態をつくってやれば、
緊張状態の自分を
俯瞰・コントロールできるようになると信じ・・・。

 こんな考えでぼくは、生徒さんにできるだけ
たくさん演奏の場を提供できるような
教室運営を心がけています。
大ホールでの演奏会はもちろん、
ライブハウスでのライブ、
教室でのサロンコンサート、
小さなイベント等。
先日は9/6に控えた、
府中中央文化センターひばりホール
(13:00スタート、入場無料)での演奏会の
予行演習として
サロンコンサートを企画しました。
これはまた大ホールと違った緊張感が漂います。
それは、サロンなのでステージの段差がなく
演奏者とリスナーの距離が異常に近い・・・。
これも試練、いい経験。
積極的に参加してくれる生徒さんも多く、
楽しいコンサートでした。
緊張感あふれる、ギター独奏の後はいつも、
賑やかな飲み会、ルール無用セッションに
流れていくのがいつものサロンコンサート。
飲み会にはつまみも必要!そこで面白企画として、
手作りソーセージ講座も同時開催。
みんなで羊の腸に肉詰めは大盛り上がり。
その模様はこちら

ひばりホールでの演奏会、お時間ある方、
是非いらしてください。

7月の日記

休講のお知らせ

 年に1度は海外に旅することにしている。
去年春、東ヨーロッパ
(ブルガリア、ルーマニア、ギリシャ)を
旅してから
久方、日本を脱出していないな、とふと気づく。
気づいてしまった以上、旅に出たくて
仕方がなくなる。
仕方がなくなると、スペインのアンダルシアで
洞窟フラメンコに入り浸ったり、
ブラジルのオリンピック間近の
浮足立った喧噪の中、
サンバを聴きながらリオの海岸で
シュラスコにかぶりき、
はたまた、ベトナムあたりアジアの熱帯夜、
どす黒いメコン川でとれた魚介を材料にする
あやしげ屋台をローカルビール片手にはしご、
などいろんな光景が、頭の中を駆け巡る。
急いでする必要もないのに、
トランクにつめる旅の
小道具などを点検したり・・・。

 つい、先日キューバとアメリカの国交正常化が
正式に決定したとのニュースを聞いた。
そこでぼくが、以前キューバに行った年を
調べてみたら、ちょうど10年前だった。
ぼくの中ではスペイン、ブラジルとともに
何度でも訪れたい国の最強トップ3に
ランクインするキューバはスペイン統治時代、
アメリカ統治時代の文化、建築物を
悲喜こもごも、今なお絶妙なバランスで
色濃く残したまま、
アメリカからたった150キロしか
離れていないカリブ海の上に浮かんでいる。
アメリカから経済封鎖を受けながら、
物資は不足しているが識字率は世界一、
教育と医療の水準もたいへん高くすべて無料、
というのも尊敬すべき絶妙なバランス感覚。
 
 嵐のような際限ないシンコペーションリズムが
特徴のキューバ音楽。
もちろん、それを演奏するにはたいへんな
技術を要するが、本来は踊るための
音楽であることに
間違いなく、プレイヤーはさておき
聴衆の立場ではただ感じるままに、
全身でリズムと呼応し、
(いささか直接的で甘ったるい歌詞も多いが)
純粋に美しいスペイン語の響きに
酔いしれればいいのも
キューバ音楽の魅力。

 キューバ音楽が他地域に与える影響力は
今までと変わらず絶大であり続けるが、
1961年のキューバ革命以来、
時間が止まってしまったようなハバナの
街並みはこれから
急激なスピードで変化していくことは
想像に容易い。
マレコン通りを走る生きた化石のような
郷愁感ハンパないボロボロクラシックカー達も
もう数年後には姿を消してしまうだろう。
今のキューバを目に焼き付けるには、今しかない。
ここ数年、ヨーロッパ方面への旅が多かったので、
今年の秋はキューバに行くことに決めた!

 せっかく海外に行くのだから、
1カ国だけではもったいない。
いつも、なるべく2、3カ国はセットで
旅することにしている。
スペイン語圏の国はすべて訪れてみたいと
思っていたが、
今回はまだ足を踏み入れていなかったメキシコを
そのセット国に選んだ。
キューバがメインの旅になるが、
メキシコを単なるトランジット地にしてしまうのも
もったいなく、
より自由にまわってみたいので、
日本からメキシコへの
往復チケットとメキシコからハバナへの
往復チケットを別々にインターネットで購入し、
メキシコ3泊、キューバ5泊という旅の
アウトラインをざっくり描く。
(日本→メキシコ→キューバ→メキシコ→日本)
メキシコのマヤの古代遺跡、音楽、タコス、
コロナビールも楽しみだ。
宿は一切予約しないで、
なるべくその日その日の
偶然と直感に従い行先を決めていこう。
レッスンはこのため11/4~11/14まで
お休みいただきます。

 先日、9/6本番で演奏する「ボレロ」の
2回目のリハーサルがありました。
みなさん、個人練習にも励んでいるようで、
アンサンブルが楽しくなってきました。
暑い日々が続いていますが、
目標に向かって有意義な夏を過ごしましょう。


6月の日記


手弾き


 最近、コンピュータによる音楽製作環境の
見直しをしました。
どうしても避けて通ることのできない、
定期的な設備投資・・。
今の状況で何の不満もないのに、
OSが新しくなったことによってこれまでのソフトに
不具合がでてきたり、
かと思ってソフトの最新バージョンを購入すれば
不具合はなくても明らかに以前の方が
使いやすかったりと
パソコンまわりには、なかなか小さな問題や
不満は、尽きない。

こんなことを考えていると、いろいろと他の
理不尽も思い浮かんでしまう。
プリンターでの印刷がほとんど黒だけで
足りるのになぜだか他の色まで消費していたり、
黒インクはあるのに他色インクがないがために
白黒印刷ができないとか。
WindowsのOSは新しく導入したOS8より、
以前のXPの方がわかりやすくて、
使いやすかったのにもう戻ることはできない・・・。
ちなみにぼくのメインマシンはMacですが
このホームページを作ってきた
ホームページ作成ソフトが
Windowsにしか対応していないので、
長年このためだけにWindowsのノートパソコンも
1台所有しています。
(ホームページのコンテンツがかなり増えて
しまったので、
今更、他のホームページ作成ソフトに
かえる事もかなり億劫)

 コンピューターで音楽を製作するのに
必要なものには、ざっくりいえば

1.コンピューター 2.DAWソフト 
3.オーディオインターフェイスの3つ。
まあ、他にもこまごま挙げればもちろん、
楽器やマイクやモニタースピーカーなども
ありますが
最重要はやはり上記の3点です。
1.のコンピューターについてはよしとして、
2.と3.についてはどんなものか説明が必要です。
DAWソフトのDAWとは
Digital Audio Workstationの
意味でコンピューターで録音、編集等をさせるための
ソフトウェア。
オーディオインターフェイスはコンピューターと
ソフトウェアを仲介するもので、
楽器演奏をスムーズにコンピューターに
取り込むための機器。
 そもそも、ぼくがパソコンを始めたのは音楽を
作りたかったからですが、それはもう20年以上前の
ことになります。
お世話になってきたDAWソフトは
ローランドのミュージ郎、Cubase(キューベース)、
Sonar(ソナー)、Protools(プロトゥールズ)など。
最近までProtoolsを使ってきましたが、
MacのOSを最新にしたら、
表示されない部分などがでてきて
やや不便になりこのソフトのアップグレードも
考えましたが、今回は思いきって現在、
最もMacと親和性が高いと思われる
Logic Pro Xへ乗り換えることにしました。
Macの扱いは慣れているとはいえ現在の
DAWソフトはかなり高機能になってきているので、
異なるソフトを使い始めた直後は
操作を覚えるのにとても骨がおれる。
今やソフト自体もインターネットを経由した
ダウンロード版が主流で、紙に印刷された
マニュアル本すらない。
わからないことがあれば、電子マニュアル、
インターネット上でのキーワード検索、
市販の解説本、Youtubeなど
あらゆる手を使って調べ、最終手段はメーカーに
電話してまで聞く。
しかし、この手のトラブルは感情的にならず冷静、
そして地道に調べていけば、
たいていは解決できる。
多くの時間と体力を消耗してしまうのも事実だが・・・。
結局、どんなソフトの扱いも慣れるまでは、
似たり寄ったりと思います。
本来やりたい作業に入る前に、
ソフトの操作方法を
かなり勉強しないといけない。

 オーディオインターフェイスは今まで
使っていたものを、そのまま残しましたが
DAWソフト乗り換えに合わせて、ソフト音源と
エレアコギターを録音するための
機器を新たに調達した。
ソフト音源は様々な楽器の音色
(サンプリングデータ)を
コンピューターに読み込んだ後、
DAWソフトからの指令を実際の音として
出力させるものです。
各社からソフト音源は多く発売されていますが、
近年のものはどれも本当にリアルな音です。
いくつかのソフト音源を、比較してみて
今回は「VIENNA INSTRUMENTS」の
オーケストラ音源に決定。
木管、金管、ソロストリングス、
オーケストラストリングス、鍵盤、
打楽器すべて揃っていて
パソコンから出てくる音は本当に生楽器と
ほとんど聞き分けがつかない。

 今やほとんどの楽器(民族楽器なども含め)は、
MIDIキーボードやマウス操作だけで
パソコンから再現できるようになってしまった。
唯一、再現が難しいのは、やはりギターだろう。
ギターは弦がこすれるノイズ、スライド奏法、
チョーキングなどギター特有の繊細な
表現が味になったりすることが多いので、
これらをパソコンで再現するには
膨大なデータを打ち込んでいかなくてはならなく、
結局は「ギターは、弾いた方がはやいやん!」て、
ことになる。
いくらソフト音源の音が優れているといっても、
ギターだけは今のところまだ手弾きには、
かなわないのだ。

 しかし、生ギターの録音は難しいし、
手間がかかる。
マイクも数本必要、外部からのノイズにも気を
つけなくてはいけない。
かといって、マイクを使わず、ライン出力のある
ピエゾピックアップを内蔵したエレアコギターから
オーディオインターフェイスにつないで録音しても、
音はよくない。
この録音方法ではノイズの心配はいらないが、
どうしてもマイクで拾った空気感や
ギターのボディの鳴りは削られてしまい、
とても人工的で味気ない音になってしまう。
ぼくは、ゴダンというメーカーのエレアコを持っていて、
クラシックギターとネック幅も同じで弾きやすく、
安定した楽器なのでライブではよく使っています。
決して安い楽器ではありませんが、それでもやはり
ピエゾ特有の音(ピエゾクラックというらしい)の
宿命はもっている。

 そこで、エレアコギターの録音の悩みを
解決するために見つけたのがこれ。
「FISHMAN AURA SPECTRUM DI」
(写真)

 インターネットで見つけたアメリカの製品。
Youtubeで検索してみるとアメリカ人数人がこのDIの
試奏をしているのを見た。ピエゾクラックをかなり
回避できそうだ。
このような製品は一般的にDI(ダイレクトボックス)と
呼ばれています。
このFISHMANのDI、4万円近くとなかなかの
いいお値段・・・。
躊躇したが、買ってみて正解!
正直、今までのDIの中では1番ではないかと思う。
ゴダンのエレアコとオーディオインターフェイスの間に
接続してパソコンにラインで録音してみると
空気感やボディ鳴りも感じられた。
これで、ギター録音もまた楽しくなりそう。

 来月から9/6の演奏会のリハーサルが始まります。
出演の方はトップページから
スケジュールを確認して、
都合のよい時、参加してください。
リハーサルもいつも楽しいです。
本番、リハともに見学だけも歓迎!


5月の日記

心に通ずる道は胃を通る


 4月あたまくらいまでは、寒さが行ったり来たりで
石油ストーブをなかなか片づけられずにいましたが、
いつの間にか、すっかり夏の陽気がやってきて
冷房エアコンのお世話になるようになってしまいました。
この季節の楽しみとしては、ベランダのプランターに
植える野菜の苗をホームセンターや専門店で
買ってくることです。
3月末くらいから、そろそろ、これらのお店に
お目当ての苗がまだ入荷していないかな・・・と、
そわそわしながら、時々のぞきにいったりします。
今年の3月はけっこう寒い日が多かったので、
例年に比べ野菜の苗が出回るのは少し
遅かった気がします。
それでも、4月中旬くらいから植え始めたゴーヤ、
ミニトマト、バジル、大葉はこのところの
日差しを浴び元気よく成長しています。
買ってきた時は背丈わずか10センチほどだった
2本のゴーヤはすでにぼくの身長を追越し、
ミニトマトはまだ赤くは色づかないけれど
黄色い花が咲き終わった後に、
小さな青い実がたくさんできてきた。
バジル、大葉の葉っぱも1枚1枚が、
香り高く大きい。
(もうスーパーで売っているものよりはるかに立派)

 ゴーヤの実はスーパーで売っているものほど
大きくはならないが、蔓がよく伸び、葉も大きいので
部屋の日差し除けのグリーンカーテンとして、
さわやかに活躍してくれる。
もちろん、実は小さくてもゴーヤチャンプルーに
してしまえば、独特の苦みは遜色なく、
しみじみ美味しい。
ミニトマトは、そのままサラダに入れてもいいし、
パスタソースやピザソースにしてもいける。
そして、このトマトの相棒にはバジルは欠かせない。
冬場のトマト料理には、主に乾燥して
粉砕してあるバジルを使うことが多いですが、
これからの季節はベランダから新鮮なバジルを
とってくることができるので料理の香りに
数段の違いがでてくる。
この収穫したてのバジルといったら・・・、
陶然としてしまうほど独特で強烈な香気。
お皿の上の太陽の光を浴びた赤と、
この鮮烈な緑の最強コンビ。
トマトを育てるならバジルとセットで育てるものと
思った方がいい!
 大葉は冷奴やあさりの酒蒸しなどに、
ベランダに走ってサンダルつっかけて、
ちゃちゃっと数枚、
摘んできて素早く刻んで上から散らせば、
目にも美しい。
細かく刻んだものを納豆に混ぜてもいいし、
贅沢に摘みたての葉1枚1枚に、
かつおの刺身を包んで食べるのも
季節を感じることができる。

 作家・開高健は「心に通ずる道は胃を通る」と
言っています。
やはり、芸術を語る人間は人生の
限られた時間の中で知恵をしぼって美しいもの、
美味しいもの(値段が高いという意味ではなく)を
食べることをおろそかにしてはいけない、
という意味かと思います。

 秋の大ホールでのスクール演奏会での
フィナーレでの、全員参加型アンサンブルの
アレンジがやっとできました。
曲目はラヴェルの「ボレロ」。
オリジナルのキーはCですが、
様々な過去のアレンジ、
ギターの機能を検証してキーE(ホ長調)に
することにしました。
誰でも参加できる5つのパートからなる
楽しいギターアレンジを心がけました。
(楽譜はインターネット上のクラウドストレージに
公開しています、必要な方はお問い合わせください)
リハーサルは7月中旬より本番までの
期間で3~4回やる予定です。
興味のある方は”楽しむこと”が主目的ですので、
気軽に都合のよい時だけでもリハーサルに
参加してみてください。
見学も歓迎です。


4月の日記


歴史は楽し

 4月は春のサロンコンサートがありました。
生徒さんによく出演してもらっているのですが、
ただ演奏だけでもつまらないな、
と思いテーマを決め、
ぼくの小さな音楽講座みたいな
ものも毎回やっています。
今回はギターと音楽史と題してルネサンス、
バロック、古典、ロマン派、印象派、現代と
時系列にそって各時代の
音楽を解説・演奏していきました。
 ぼくらは、普段クラシック音楽として
数百年前の音楽を勉強しているわけですが、
その音楽が書かれた時代背景を知ることは、
自分の演奏表現にとても重要な役割を果たします。
世界史(主にヨーロッパ)と音楽史を関連付けて
俯瞰してみるのは楽しい。
15世紀、イタリアからおこったルネサンス思想は
1000年にわたるキリスト教の「教化」が
人間性の向上にあまり役立っていないとし、
マルティン・ルターが行った
宗教改革と深い関わりがある。
ルネサンスが手本としたのはキリスト教の
助けがなくとも、
優れた政体と豊かな文化を持ち、
広大な帝国を数世紀に渡って維持してきた
古代ローマや古代ギリシャだった。
そんな時代背景があったから、
ルネサンス期にはたくさんの舞曲が書かれました。
それまで神にささげることが大きな
存在理由だった音楽が、
人間のためにも振り向いたのです。
 そんな事を思いながらダウランドなど
弾いていると実に心が癒され、しっくりきます。
ルネサンスの特徴である多声音楽は、
バロック時代に引き継がれより複雑となり
バッハによって頂点を迎え、
そして新たな時代である古典、
ロマン派、印象派、近・現代へと・・・。
以下のような年表を作ってみました。
参考にしてください。

 サロンコンサートで演奏と講座以上に(?)
力を注いでいるのが、ひととおりプログラムを
終えたあとのバータイム!
料理することと、食べることが大好きなので、
2日前くらいから仕込みに入ります。
テーマは手作りにこだわり、みんなにも
参加してもらう。
今回のメインはベランダバーベキュー、ピザ、
イカ墨のパエリア。
炭火おこし、焼き物担当の方ありがとう!
ピザ作り初めての方もありがとう!
(これも炭火で焼く)
炭火はすべてを絶品にしてくれました。
かくてバータイムはセッションタイムとなり夜は更け、
楽しくてまた7時間もやってしまった・・・。

3月の日記

原風景

 子供の頃から、鼻が悪かった。
常にすっきりしない。年中、左右両方の鼻、
またはどちらかは必ず詰まっている。
だからいつも鼻声。
春はそれに加え、詰まっていたと
思っていた鼻から
知らぬ間に鼻水がタラ~リ、
くしゃみが止まらなくなったり、目もずいぶんと
かゆくなったりと、たんなる鼻炎とは片づけられず、
これはやっぱり・・・。
長年、花粉症ではないと言い張ってきたが、
さすがに近年はそれも認めなくてはならない、
目かき過ぎ、、鼻かみ過ぎの顔真っ赤状態。
認めた瞬間から花粉症になってしまうのかと思うと、
自分に負けたようで悔しい。

 花粉症との付き合いは、いやなものですが、
やっぱり春という季節は何だか
長いトンネルを抜けた後のようで気分がいい。
故郷の札幌の桜の季節は東京から、
ほぼ1か月遅れてやってくる。
東京に住むようになってから、帰省するのは
だいたい夏か、正月なので北海道の春は
もう長い間見たことがない。
ゴールデンウィークのあたりがだいたい
桜の満開の時期だったと記憶している。
分厚い雪で覆われていた街の雪解けの
ピークは3月中旬から4月あたまにかけて。
今の札幌の春の状況は久方、
体験してはいないが、
札幌はなかなか交通量も多く、
ぼくの子供の頃は今のように車の
スタッドレスタイヤなど
存在していなかったので
冬が終わろうとしている時期でも、
けっこうワイルドな鋲をむき出しにした
スパイクタイヤをはいた車が、
アスファルトの道路をガリガリと
削りながら街中走っていた。
ほぼ、雪の季節が去っていったと思っても、
しぶとくその後から降る雪もあるだろう。
北海道のドライバーは、本当に春を
実感するまで疑い深く
けっこう長いシーズン中、スパイクタイヤを
つけっぱなしだった。

 今はタイヤの性能も向上し、
それほど道路を削るものではないが、
とにかくぼくの春の原風景の1つは、
ほこりっぽい街だ。
道路脇にはまだ溶けきれず残った雪に
そのアスファルトのほこりが降り積もり、
また徐々にそれらが溶けてドス黒く混ざり合って
あまり麗しくない光景・・・。
麗しい光景ではないが、確実に春がやってくる
証拠でもある。
それが独特な言葉にあらわせない
ほこりっぽい春の匂いの記憶とも
結びついている。
 冬の原風景。冬の始まり、
北海道では雪が降り始める時期の
少し前くらいに、雪虫という雪に似た小さな虫が
ちらちらと飛び回ります。
その時も、ああもうすぐ冬なんだなあといった
匂いが冷たくなっていく空気に
ふくまれたように感じます。
唯一の匂いだから他のものに
例えることが難しいが、
この原風景というやつには匂いが
セットされているような気がします。

 4月12日(日)16:00よりスクールにて
春のサロンコンサートあります。
様々な時代の音楽を時系列にそって演奏していきます。
飛び入り、聴くだけも歓迎!
いつも楽しく盛り上がっています。
お気軽にお越しください。

2月の日記

今年はフランス印象派

 去年の秋、教室の演奏会フィナーレは
出演者全員でステージにのるという初の
試みで盛り上がりました。
そして、独奏にも多くの収穫がありますが、
アンサンブルにもまた「みんなで創り上げる」という
大きな喜びがあることを再認識できました。

 今年もこの大編成アンサンブルをやろうと
考えています。
せっかくやるには、既成の楽譜を使うのではなく
スクールの生徒さんたちの顔を思い浮かべながら
名曲をアレンジしたい。
「○○さんにはこのパートを弾いてもらおう、
○○くんと○○くんにはここでハモってもらおう・・」
なんてことを
想像しながら音符を埋めていくのも楽しい。
9月の本番にはちょっと早そうだが、
編曲は意外と時間のかかるもの。
逆算すれば、そろそろ選曲して、
作業を始めなくてはならない時期。
去年はブラジルもののメドレーでしたが、
今年はまた切り口を変えて何か
アンサンブルにおいて
興味深いものはないかと悩む。

 1人でも多くの生徒さんが様々な
役割で参加でき、
音楽や仲間やギターに感謝できるような
アンサンブルが目標!
そこで、今年は大好きなフランス印象派作曲家、
ラヴェルの「ボレロ」でいくことにしました。
この曲はボレロのリズムにのせて
Aメロ、Bメロをひたすら繰り返し、
徐々にダイナミクスを上げてクライマックスに
もっていくという一見すると、
とてもシンプルなものですが、
分析してみるとラヴェル独特の
オーケストレーションの
アイディアがふんだんで実に面白い。
ユニゾンする楽器の組み合わせが
意表を突くものだったり、異なるキー(調)の
メロディーでハモってみたりと
飽きさせないようにできています。
超有名曲だけあって、たくさんのアレンジ、
編成が世の中に存在しますが
ここはスクールのための
オリジナルアレンジでなくては!

 原曲のアイディアをなるべく取り入れつつ、
新鮮で楽しいギターアレンジが5月くらいに
できたらいいな・・。
リハーサルも、本番もきっと勉強になるので、
興味のある生徒さんはどんどん参加してください。

 

1月の日記

10代の胃袋

 今年1発目のサロンコンサートも25日、
無事終わりました。
パフォーマンスしてくれた方、
聴きにきてくれた方、ありがとうございました。
ぼくの担当するミニ講座のテーマは
「スペイン」だったので
ロドリーゴ、ナルバエス、リョベート、アルベニス、
モンポウ、ファリャなどの作品を演奏し、
コンサート後は、いつもの飲み会。
ワイワイやりながら、スペイン料理も
いくつか作りました。

 スペイン料理といって日本人が
筆頭にあげるのはやはり、
パエリヤでしょうか。
バレンシア地方発祥の魚介のスープの
炊き込みごはん。
これはやっぱり、雰囲気も大事なので普通の
フライパンより本式の平たい専用鉄鍋で
やりたいところ。
インターネットでもたくさん取り扱っているので
入手は簡単。
ぼくが現在使っている鍋は直径40センチ。
以前、家庭用だからと小さめの鍋を購入したが
お米の他に豊富な具材やスープを入れ、
火にかけると吹きこぼれが多く、
作りにくかったので大きめの現在のものに
買い替えました。
普通のフライパンでもおいしくできますが、
より本格的に広範囲のおこげを作るには、
専用の鉄鍋がいい。
かつて、本場バレンシアで食べたパエリアは
本当に素晴らしかった。
味も香りもさることながら、お米は芯をわずかに
残す炊き加減、そして適度につくられたおこげとが
口中で絶妙なバランスを生み出し、
見事な職人技をみた思いだった。
スペインならどこでも美味しいパエリアに
出会えるかというと実は、そうもいかない。
コルドバの観光地、メスキータ周辺には店先に
パエリアの看板を掲げているレストランを多く見かけ
試しに注文してみたがイマイチだった。
その原因のひとつにパエリアに欠かせない
香辛料「サフラン」がある。
一般に香辛料として売られているものは、
サフランの花にあるわずかな雌しべだけを手作業で
収穫し、乾燥させたもので、
その手間からもうかがい知れるが、
とても高価な香辛料。
パエリアを作るときに指先でほんの少しつまんで
入れるだけで、お米が輝かしい黄金色にそまり、
またその香りも独創的で食欲をそそる。
観光客が大勢やってくるような観光地の
レストランのパエリアにこの本物の
サフランを使うことはコスト面から厳しく
ターメリックで代用し、
色だけはサフランに似せているが、
味は数段落ちる。
もちろん、ぼくが作る時もサフランは忘れない。
今回もなかなかの出来で、
あっという間にみんなの胃袋におさまった。
作った料理が人に喜ばれるとやはり嬉しいもの。

 料理はもともと、両親が共働きだったせいもあり、
子供のころからお腹が空けば必要にせまられ
けっこう自分でやっていたので、
どちらかといえば好きです。
高校生の頃は朝、新聞配達のため
早く起きていたので、
ついでに弁当も自分で作っていた。
しかし、10代の頃はなんであんなにもよくお腹が
空いていたんだろうと
普段、レッスンで高校生たちと接しているとしばしば
自分の当時のことが思い出される。
空腹が、がまんできず、自分で作った弁当は
だいたい午前中の授業の2時間目と3時間目の
間に消費してしまい、
昼休みは昼休みで、売店でパンを買ったり、
学校を抜け出し近所の食堂でラーメンを食べたりが、
当たり前。
さらに、昼食と夕食の間ににもけっこう
しっかりしたものも食べていた記憶がある。
あの驚異の胃袋を持っていた時代が懐かしい・・・。
受験期の生徒さんもたくさんいる時期です。
かぜをひかぬよう、そして健闘を祈っています。


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